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思い出のA

かつて所有していたアルピーヌAlpine A110。

もっていたときは重荷で、あまりいい思いはしなかったという
気持ちでいっぱいでしたが、段々と記憶から遠ざかるにつれ、
浄化されていまったのか、やっと懐かしい思い出に
なってきた気がします。

しょっぱなからこんな画像ですが。
納車された車に乗って家に帰ろうとしたら
エンジンが止まって止まって、40Km無い距離を帰り着かなかったのです。
こういう車がどういうものか知らないで買ってしまった青二才の
悲劇がここに始まりました。
この画像は友人のお父さんがやっていた自動車整備工場に
入庫したときの画像です。大変お世話になりました。

なんにも知らないっていうのは恐ろしいことです。
この車のグレードも、オリジナルとしての程度もなんにも知らなかったのです。

あとでわかったのは、FASAルノーというところのアルピーヌだということ。
これは、スペイン生産のアルピーヌで、日本国内では大変人気がない種類でした。
このころはFASAルノーでもおんなじような値段で売っていて、私のような
ど素人にとんでもない値段で売りつける商売がまかり通っていました。

工場の長期入庫から出てきて
この ガレージに長く住み着きました。
ちまちまと手をかけたつもりでしたが、全然信頼性があがりません。
東京23区内で屋根付きのこんなガレージを借りるのに
掛かったお金だけでも今思うと卒倒ものです。

友人の工場で色々やっていただき、格段によくはなったものの、
それでもやっぱり信用して乗ることはできない状態でした。
そのへんをくるっと回るのがセキの山。
写真写りは悪くないんですがね。

しかしこのリアビューはほんとにかわいいです。

エアスクープはついてませんでした。これは最後までつけませんでした。
1300VCだと、真夏でも、なしでも全然問題なかったです。

ヘッドライトカバーは、FASAルノーは少し大きめなのですが、
フランス本国製のものしか入手ができず、FRPでアタッチメントを自作、
塗装だけお願いして取り付けました。

たしか内側の2灯を押さえる金具もアルミで自作した覚えがあります。

ちなみに↑この画像を加工したとしか思えないほとんどおんなじ画像を
別のところで見つけてびっくり。フォグのカバーをいい加減につけていてメッシュの角度がずれてるところ、
鼻先のルノーダイヤがないところ、私の自作のヘッドライトカバーの特徴まで写っていたので間違いなさそうです。
まぁうるさいことをいうつもりはないんですが、 不思議なのはこの写真は今回初公開だと
思っていたのに、どうして私より先にこの写真を入手できたか?ということでした。
うーん、どこかで公開したのを忘れてたのかなぁ??

そのサイトさんはアルピーヌの色々細かい解説をなさっているのですが、
トップの一番目立つところのアルピーヌの画像がこのFASAルノーで問題ないのかだけがちょっと気になりました。
光栄といえば光栄なことなんですけどね。

ちょっとだけネガキャンが見てとれますね。

意を決してレストアに入りました。一番下のグレード1300VCの、しかも
FASAルノーの車をレストアするなんて正気ではなかったかもしれません。
費用のことだけ言えば、廃車にしてしまったほうが安かったかもしれませんが、
それでも縁があってやってきたこの車をどうしても見捨てることができませんでした。
ここに至るまで2年以上。

当時の同僚の奥さんの紹介でした。
破格でやって頂きました。

部品はFAXを使ってドイツから自力で取り寄せました。つたないドイツ語を
一生懸命使った数少ない経験の一つです。
ネットがあればどんなにか楽だったでしょう。
ドイツから買うと国内の部品価格の半分から1/10くらいで買えてしまう
ことに感動して夢中で取引しました。部品の種類も大変豊富で、
ヨーロッパの人たちがこの車を見るときの目が日本の我々と全然違っていることがはっきりと感じ取れました。
国内の感覚でいえば、ダルマセリカっていう感じが近いような気がしました。

レストア後の画像は何故かあんまり残っていないのです。
これは友人宅を訪問したときに友人に撮ってもらったもの。

室内も当時できる範囲でがんばりましたよ。

外装以外のレストアだったので、塗装などは全然よくなっていませんが、
信頼度だけは著しく向上、普通にいつでも出かけられる車になりました。

そして驚いたのはその乗り心地の良さ。ガタガタしていたアルピーヌは
スポーツカーだから硬いのではなく、 ゴムやバネがダメになっていただけだったみたいです。
レストア後の乗り心地は、硬くても決して不快な感じのない、シトロエンとまで
言うのは極端かもしれませんが、フランス車だなぁーと思わせるものでした。

その後何年手元にあったのか…もうはっきり覚えていませんが
バブル崩壊後の失われた10年の時代にはどうやっても売れず、
お世話になっていたかかりつけの工場のチーフさんの手元に渡っていきました。
そのあとさらに所有者を変え、所沢のサーキットを走ってるらしい…というところで
私のこの車について知っている消息は途絶えています。

V8フェラーリを新車で買えるくらいつぎ込んで、それに匹敵するくらいの色んな人の
手間と心労をかけて去っていったこの半端モノアルピーヌ。
それでも今でも走っているのなら、全部無駄ではなかったと思えそうです。

そして、現在にいたる車に対する感覚のようなものを
作ってくれ(よいかどうかは置いといても)、
車関係の知人を残してくれました。

もう、この車のことを良い思い出、と言ってもいい時が来たのだとしみじみ思います。

 

これだけ離れてしまった今になってやっと言える。

逢えてよかった。


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